1台のコンパクトなスピーカーでも立体的で臨場感のある音響を楽しめるオーディオを目指し、多機能ホーン平面スピーカー「MOA」が誕生しました。
1台でも立体感を感じるクリアな音が遠方まで届く全方位スピーカーです。

1.平面スピーカーについて


理想的な高音質スピーカーは「池に石を投げると、波紋が同心円を描き、エネルギー減衰せず遠方まで伝わっていく」と言われています。


平面スピーカーの音もこの水面の波と同様に同心円を描くため、歪が少なく厚みのあるクリアな音を奏で、各楽器や演奏者の位置感を明確に伝えていきます。従来のスピーカーは三角形の頂点の位置で聴くことがセオリーでしたが、平面スピーカーは、広いリスニングポジションでお楽しみいただけます。

高音質の平面スピーカー 歴史と現在


平面スピーカーの歴史は古く、1926年ドイツのシーメンス社が平面スピーカーのブラットハラーを初めて開発。音の伝達エネルギーの損失が少なく、遠達性が優れているため2km先まで届いたと言われ、ドイツのベルリンオリンピックにも使用されました。
戦後、しばらく経ち、音響メーカーの高音質スピーカーづくりのひとつの指標となっていきます。
但し、製造の難易度が高く、数々の大手メーカーが開発を断念。現在は、一部の開発メーカーのみが製造しています。

高音質な平面スピーカーの特徴


「 歪が少ないのでクリアに聴こえます。」
自然な感じで耳に入るため疲れにくく長時間の鑑賞にも最適
「 リスニングポジションが広いので正面で聴く必要がない」
スピーカーの設置場所をそれほど気にする必要がなく、聴く位置も自由です。
「 音の微細な信号も再生するため、生演奏に近い音になる(トランジェント)」
音の瞬間的な信号の変化にもすばやく反応。音の再現性が高く、小さな音もしっかりと表現できる。今までのオーディオでは聴こえてこなかった音までが聴こえてきます。

まさに音の再現性を理論上、究めてつくりだした理想的なスピーカーと言えます。

2.多機能ホーンについて

ホーンは、古来の角笛や楽器のホルンに代表される構造で拡声機能を有しています。
ホーン形状は小さい声でも音圧を高めることができ、効率よく音を遠くまで伝達できる特性を持っています。ホーン型スピーカーの歴史は、コーン型スピーカーよりも歴史が古く、エジソンによる蓄音機の発明に遡ります。今やホーン型スピーカーはJBLやアバンギャルドに代表される高級スピーカーの代名詞です。それだけ魅力的な音に惹かれて、家屋をホーン型に改造するオーディオマニアまで現れる程です。

ホーンとスピーカーの組み合わせで重要な点は、
まず、①剛性のある振動板であることです。
数多くあるユニットの中で平面スピーカーは最適なスピーカーユニットです。

更に、②平面スピーカーは波面が揃っているので、ホーンの音道を制御するのに適したスピーカーと言えます。
その結果、2層型の多機能ホーンを追加することで、コンパクトな平面スピーカー1台だけでも臨場感のある3Dサウンドを楽しむことができます。

エジソンの蓄音機は、ホーンを使用して小さな音を拡声した世界初のオーディオ機器です。
パルティシオンは、4つの多機能ホーンを有するだけでなく平面スピーカーも搭載することによって達成できた理想的な小型全方位スピーカーです。
①トランペット形状のホーンは、天井に向けた音が舞い降りてきます。
②12個の角笛形状ホーンは、音が45度方向に拡声して飛び出します。
③ハニカム形状のホーンレンズは、水平方向に音が飛び出し遠くまで届きます。
④バックロードホーンは、低音を更に拡声し、豊かな音になります。
⑤平面スピーカーから放射した平行な波面は、音道を流体力学的に正確かつ歪もなく拡声していきます。
⑥部屋の中の定在波をなくし、かつ部屋の中で音が充満するように10度傾斜しています。

小型平面スピーカーの能力を最大限引き出すため、3D・CADにて2 層型多機能ホーンをデザイン設計し、3Dプリンターにて製造しました。 シングルオーディオのカタチでつくり出されたオーディオ史上、唯⼀無⼆のスピーカーです。 ホーン型スピーカーの特徴は、音の放射が良くなる為、詰まり感のない爽快な音ヌケの良さ、弾みのある低音、楽器の音も粒立ちが良く再生できると言われております。

平面スピーカーを上に向けて、円形ホーンから天井に向けてストレートな音が拡声器のように出る構造となっています。音は天井に到達してシャワーのように舞い降りてきます。更に2枚の円形ホーンに挟まれた12ブロックの「小ホー ン」構造で音道を作り、音の干渉が抑えられる為、高温から低音まで繊細な音が水平方向に近い角度でストレートに伝達していきます。下部の無数のハニカム構造では「ホーンレンズ」機能によって、水平方向に音が遠方まで伝達し拡がりのある音場が得られます。